【海の日と夏休み】海がくれるもの、夏が教えてくれること。

窓の外に広がる強い日差しに、ついカーテンを閉めてしまう。そんな日が続いています。
連日の猛暑に、外に出るのもためらうこの季節。子どもたちが外で元気に遊ぶ光景も、ずいぶん見かけなくなりました。
それでも、風にふと海のにおいを感じたときや、テレビの天気予報に映る海の映像に、不思議と心が少し軽くなる瞬間があります。
そんな“夏ならでは”の感覚を思い出させてくれるのが、7月の祝日「海の日」です。
「海の日」ってなんの日?
「海の日」は、世界的に見ても珍しい“海に感謝する”国民の祝日です。
もともとは1876年、明治天皇が灯台巡視船「明治丸」に乗って無事に航海を終え、横浜港に戻ったことを記念して生まれた「海の記念日」がはじまりです。
1996年から正式に「海の日」として国民の祝日となり、現在では7月の第3月曜日に設定されています。
祝日の意味としては「海の恩恵に感謝し、海洋国・日本の繁栄を願う日」。
海に囲まれ、海とともに暮らしてきた私たちにとって、改めてその存在に目を向けるよい機会です。
暑すぎる夏こそ、心を外へ向けてみる
現代の夏は、ひと昔前とは様子が変わってきました。
35度を超える日が当たり前になり、子どもでも自由に外で遊びにくい時代。
エアコンの効いた室内で過ごす時間が、どうしても長くなってしまいます。
それでも、自然の中に身を置いたときにしか得られない感覚や、海の広がりにふれたときの解放感は、どれだけデジタルが進化しても代えがたいもの。
無理に遠出する必要はありません。
たとえば、朝夕の涼しい時間に近くの海を散歩したり、部屋の中でも“海を感じる時間”を少し取り入れるだけで、心がスッと軽くなることがあります。
室内でも楽しめる“海っぽい”体験
外出が難しい日でも、海を感じる工夫はいろいろあります。
- 波の音や海辺の環境音をBGMにする
静かな部屋で流すだけで、気分が落ち着き、ちょっとしたリゾート気分に。
音楽配信サービスや動画サイトで「波音」「海辺の音」などと検索してみてください。 - 海を舞台にした映画やドキュメンタリーを見る
美しいビーチの風景や海の生き物たちを眺めるだけで、旅気分や非日常を感じられます。 - 子どもと一緒に“海クラフト”を楽しむ
紙皿でクラゲを作ったり、折り紙で魚を折ったり、ペットボトルで“海の水族館”を作ってみたり。身近な材料でできる楽しい遊びです。 - 小さな“海のコーナー”をつくる
お気に入りの貝殻や青いアイテム、海の写真などを飾るだけで、夏らしくて涼しげな空間が生まれます。
暑さで外に出られないからこそ、工夫ひとつで“夏らしさ”を自宅に取り入れることができるのです。
夏休みのはじまりに
「海の日」は、ちょうど学生たちの夏休みの始まりと重なることも多く、大人にとっても気持ちを切り替えるきっかけになる日です。
この夏、自分を休ませたり、自然に感謝したり、誰かとの時間を丁寧に過ごしたり・・・
そんな“ちょっとした余白”を大切にしてみてはいかがでしょうか。
ふだんはなんとなく過ぎてしまう夏の一日も、「海の日」をきっかけに、
いつもとはちがう夏の楽しさが見えてくるかもしれません。