サンクスギビングとは?感謝の心が街を包むアメリカの“ありがとうの日”(Vol.1)

アメリカでは毎年11月の第4木曜日に、「サンクスギビング(感謝祭)」という特別な祝日があります。
日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、アメリカ人にとってはお正月のように家族や友人が集まり、食卓を囲んで「ありがとう」を伝え合う大切な日です。
スーパーには丸ごとの七面鳥が並び、街はどこか温かく、穏やかな空気に包まれます。最近では映画やSNSを通じてこの行事を目にする機会も増え、「どんな日なんだろう?」と興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、サンクスギビングの歴史や現代の過ごし方、そしてそこに込められた“感謝の文化”について、わかりやすくご紹介します。
サンクスギビングのはじまり
サンクスギビングの起源は、17世紀初めのアメリカ開拓時代にさかのぼります。
1620年、信仰の自由を求めてイギリスからアメリカへ渡った清教徒たち(ピルグリム・ファーザーズ)は、現在のマサチューセッツ州に移住しました。厳しい冬を越える中で多くの命が失われましたが、先住民ワンパノアグ族の助けを得て、翌年には初めての豊かな収穫を迎えることができました。
その収穫を祝って、先住民と共に開いた感謝の宴が、サンクスギビングの始まりとされています。
この伝統はやがて国全体に広まり、1863年にはリンカーン大統領によって、11月の第4木曜日が「感謝の日」として正式に制定されました。

家族と過ごす“ありがとう”の時間
現代のサンクスギビングは、家族や友人と過ごす「団らんの日」として親しまれています。
多くの人が帰省し、テーブルには七面鳥のローストやスタッフィング、クランベリーソース、パンプキンパイなどの伝統料理が並びます。
食事の前に「今年、感謝したいこと」を一人ずつ語る家庭も多く、日々の忙しさを忘れて、心から「ありがとう」を伝える時間が流れます。
最近では、友人同士で祝う「フレンズギビング」も広まり、形は変わっても“感謝の気持ち”を大切にする文化は今も息づいています。

広告とサンクスギビングの関係
サンクスギビングの翌日、アメリカでは「ブラックフライデー」と呼ばれる大規模なセールが始まります。
この日はホリデーシーズンの幕開けを告げるイベントとして、街中が一気に活気づきます。
広告業界にとっても、サンクスギビングは重要なタイミングです。
テレビCMやデジタル広告、ショッピングモールのサイネージなどでは、家族団らんのシーンや「感謝」をテーマにした温かなビジュアルが多く見られます。これらの広告は、単なる商品紹介にとどまらず、季節の空気や人々の気持ちに寄り添う“ストーリーテリング”の役割も果たしています。
感謝の気持ちを表す日だからこそ、企業も「ありがとう」を伝えるメッセージを広告に込め、ブランドの価値を高める機会として活用しているのです。

おわりに
サンクスギビングは、ただの祝日ではなく、「感謝する心」を大切にするアメリカの文化が色濃く表れた一日です。
家族や友人と過ごす時間、伝統料理を囲む食卓、そしてその後に続くホリデーシーズンのにぎわい――そのすべてが、アメリカらしい温もりに満ちています。
私たちにとっても、「ありがとう」を伝えるきっかけになるかもしれませんね。
次回は、ブラックフライデーを中心に、ホリデーシーズンの広告戦略についてもう少し深掘りしてみたいと思います。